沖縄の天ぷらの衣の厚さ

2012.01.01

天ぷらの衣そのものといったドロリとしたものを、油の表面よりも上の部分から傾斜のついた鍋肌に沿って流し込んで作る、熟練を要するものだという。この形をわかりやすくいうと、子持ちシシャモのお腹の部分に似ている。「カタハランブー」という別の名前を持ち、数あるお祝いの中でも結納の席に欠かせないものとされているそうだ。これは子宝に恵まれますようにという気持ちを、ユーモラスな形と名前で表したスゴイ食べ物だと思う。

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そしてカリカリしたせんべいの部分から、だんだん分厚くなる腹のほうへと食べ進めながら、つくづくおいしいとニコニコしてしまうのだ。気温の高い沖縄では、高温で処理する天ぷらという調理法が日持ちをよくするためにも理にかなっているのだろうとは思っていた。だけど、それが人生の節目の儀式に意味深い品として供されると知れば、もはや「コロモ文化」とさえ呼びたくなってくる。沖縄の天ぷらの衣の厚さには、歴史の厚みが隠されているのかもしれない。